“調べる技術・書く技術”

“調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)” (野村 進)

ノンフィクションライターとしての「調べて書く」技術についての本ですが、そんな括りは関係なく仕事をする人全般に向けた実用書。

テーマの決め方から資料集め、インタビュー、そしてそれを一つの記事に仕上げるまで、実戦で培われたいろんなテクニックが出てきますが、その真ん中を貫くのは「好奇心を持つこと」「とことん調べること」「誠実であること」。シンプルだけど普遍的。タメになります。

圧巻は後半の第六章から。それまでの内容を踏まえて著者が記した短編ノンフィクションを読み、その制作過程を解説する。これがもうものすごい吸引力。 純粋に読み物としておもしろいんだもの。プロの凄みにゾクゾクします。

人に会い、話を聞き、文章にする。たくさん読み、たくさん観、たくさん聴く。こんなことを繰り返すうち、知らず知らずに自分が豊かになっている。多少なりとも、ましな人間になっている。傍目にはどう映ろうとも、自分自身にはそうした実感がある。

こんな風に言えるような人間になりたいもんですなぁ。