今日の映画:お父さんのバックドロップ

先日TSUTAYA DISCASに入会しまして、今日その第1便が到着。
近所のTSUTAYAで見つけられなかったタイトルもあっさり届くのはとても便利ですね。
というわけで今日は届いた2枚のうちの1枚、「お父さんのバックドロップ」を視聴。

中島らもの原作も既に読んでおりましたが、原作に劣らぬ良い作品です。
短編作品だった原作を100分弱の映画に膨らませるために色々と登場人物が増えてはいますが、名作の呼び声も高い原作の流れをとても大事にした作りは非常に好感が持てます。
本筋である「父と子」のストーリーは極めて原作に忠実で、息子との確執を自らの肉体一つで乗り越えていこうとする父とそんな姿を見て父の想いを受け入れ成長していく息子の物語は原作を知っていても泣けます。

まぁ息子が生まれてからこのかた、親子ものには随分と涙腺が緩くなっちゃったんですが、今回は息子を前にして父親として自分が何を見せられるのか、ということを考えさせられたりしましたね。
自らの生き様とか想いといったものを目に見える形で息子に伝えるというのは現実にはとんでもなく難しいわけで、ましてや息子に誇って見せつけるほどの生き様も持ち合わせない我が身としては、この映画の中のお父さんというのはものすごく羨ましい存在ではあります。あぁ、羨ましい。

映画的には主役の2人(宇梶剛士と神木隆之介)ともすばらしい出来。宇梶さんの体格の良さはプロレスシーンはもとよりそれ以外の場面でも説得力が感じられてとても良かったです。少年期の息子から見た父親というのは、物理的な大きさと関係なくあれくらいの大きさに見えるモンだよなぁ、としみじみ思いました。
神木くんはもう卑怯なまでの素晴らしい出来。あのルックスと声であんな演技されたんじゃ彼に文句を付けられる人間なぞいようはずもないといった感じ。つかあれはもはや犯罪級。

脇では主人公親子の父・祖父(南方英二)と弱小プロレス団体を取り仕切る裏方(生瀬勝久)が出色の出来で、南方さんはもういかにもな感じのベタベタな大阪のおじいちゃんで大笑い、生瀬さんと宇梶さんのやり取りはお互いにプロレスを心底愛する者同士の想いの熱さが感じられて素晴らしかったです。

そういえば映画の舞台は1980年の大阪、主人公の少年は10歳。これって私と同い年なんですよね、実は。
神木くんの半ズボン姿を見てると「あー俺らもそんなんやったわ」としみじみ昔を思い出しました。
で、うちの息子が10歳になる頃には私も40歳手前で劇中のお父さんとほぼニアなわけで、ありゃー俺も歳取っちゃったなぁとこれまたしみじみ思うのでした。

なんかしみじみしっぱなしですな、今日は。

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